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55/58年館の再生活用に関する要望書
   

55/58年館の再生活用に関する要望書

 私たちは、法政大学市ヶ谷キャンパスの55/58年館取壊しの報を聞き、この取り返しのつかない社会的損失ともなる開発手法に、強い危惧をいだき「法政大学55/58年館の再生を望む会」を発足いたしました。

  「法政大学55/58年館の再生を望む会」は、デザイン工学部より5月付けで提出された「55/58年館の再生へ向けて〜デザイン工学部からの提言〜」を全面的に支持し、55/58年館の取壊しに反対するとともに、適切な再生を加えた保存活用を切に願い、本校舎の持続可能な使用をお願いする次第です。

  55/58年館は、1995年に解体された53年館を含む一連の校舎群として、日本建築学会賞、文部大臣芸術選奨、BCS賞(建築業協会賞)などなだたる外部評価を得た名建築です。
1950年代、戦後の焦土復興のなかで日本が一瞬垣間見せた純粋な民主主義への希求が、この輝かしい校舎となって具現化します。そこには、大内兵衛総長を中心とする大学の人々の、戦争と決別し自由な学園を築き上げようとする願いが込められています。55/58年館は、名建築としての価値のみならず、戦後の新制大学としての法政大学の歩みを表象すると同時に、日本の戦後史をもシンボライズする文化的資産としての存在意義をも有しています。

  法政大学建築学科はいま、未来にむけて国際的な確固たる位置づけを獲得すべく、JABEE認定を得ようとしていると聞いています。そこでは、当建築学科の歴史をふまえ大江宏先生以来の「アーキテクト・マインド」をモットーとする建築教育が目指されています。その精神を体現し、生きた教科書として存在するのがまさに建築家大江宏設計の「55/58年館」であろうと考えます。

  現在、市ヶ谷キャンパスは、当55/58年館を含んで80〜00年代までの校舎群が新旧混在し有機的風景を形成しています。そのなかで、50数年間をへてなお清新な55/58年館は、学び舎であった多くの卒業生にとって「記憶を呼び起こすことのできる」唯一の建築です。それは、現役学生と卒業生を繋ぐ生きた歴史再生の場であることを意味し、「未来に対して残すべき文化」であることを指し示していると考えます。

  法政大学の「自由と進歩」の建学の精神、教育目標のなかにも謳われる「21世紀市民社会の新たなる創造/持続可能な地球社会の構築」に相応しい大学キャンパスのあり方として、20世紀型のスクラップ・アンド・ビルドではなく、大学の歴史とともに風景を築いてきた名建築との21世紀の新たなる共生を強く願います。校歌にある「進取の気象、質実の風」の誇らしいシンボルともいえる55/58年館を未来の後輩たちに届けたい、先達から引き継いだゆたかな歴史観と建学の精神を断ち切らぬためにも、多くの意義を有する55/58年館の保存再生を切に願っています。

  ぜひとも、55/58年館の保存再生の方向をご検討いただき、法政大学の固有な価値に根ざした未来をともに描くことを望みます。

法政大学55/58年館の再生を望む会

 
         
 
               
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